ビジネスでの交渉に求められること
ビジネスの場面で、同僚や取引先などと意見が衝突してしまうことって、多かれ少なかれ誰でもありますよね。
そんなとき、あなたならどう対処しますか?
衝突をさけるために、相手の意向を完全に飲み込みますか?
オーストラリアでは、相手が取引先の顧客であれ、相手の意見を受け入れ、相手の意向を100%叶えようとするのは、仕事ができるとはみなされず、歓迎されません。
“What’s in it for us?” = 自社や自分たちのビジネスにもメリットはあるのか?
この視点がとても大切です。Win-winの関係でなければやる意味がないからです。(←私に言い聞かせている部分もあります!笑)
オープンで対等な関係を重視するオーストラリアのビジネスの世界では、自分の意見もうまく主張し、お互いが受け入れられる妥協点まで持ち込むことが求められ、そのための交渉スキルが必要となります。
こうしたビジネスの交渉を英語でするなんてとてもハードルが高く感じられるかもしれませんが、交渉をスムーズに進めるためによく使われる、便利な英語表現があります。
ここで紹介する英語表現をいくつか使えるようになっておくと、いざというときに相手の意見を取り入れつつも、自分の意見も相手にうまく主張でき、役に立つでしょう。
ビジネスの交渉で使える英語表現
まずは相手の主張を(部分的でも)肯定
I know where you are coming from. 「あなたの言いたいことはわかります」
直訳すると「あなたがどこから来ているかわかります」となりますが、出身地の話をしているのではありません。
ここでいうwhere you are coming fromは「あなたの言っていること、言いたいこと」という英語表現です。
相手に、「私の言いたいこと、わかる?」と聞きたいときは
Do you know/see where I’m coming from? と言えます。
You have a point. / I take your point.「あなたの言うことも一理あります」
That’s a good/valid point.「確かにそうですね」
I hear you.「あなたの言いたいことはわかりますよ」
も同じように使うことができます。
相手の主張を頭ごなしに否定するのではなく、まずは相手の主張で納得できる部分には理解を示すことで、相手を逆なでせず穏便に会話を運びましょう。
【例文】
You have a point. If I look at it from your perspective, it would be time-consuming to check all the documents manually one by one. It’s a tedious* process.
(*tedious = boring and tiring especially because it’s long or often repeated)
「あなたの言うことも一理あると思います。あなたの立場からみれば、すべての書類を一つずづ手作業で確認するのは時間の無駄ですよね。うんざりする作業ですよね。」
同意・共感しているポイントを述べる
I think you’re right in a sense that + 同意している内容. 「~という点についてはその通りだと思います」
in a sense that ~は「~という点において」という便利なフレーズです。
「あなたの言うこともわかりますよ」と言った後はこのように、何に対して同意しているのかを述べることがよくあります。
とはいえ、一から言うことを考えて英文を組み立てる必要はありません。
一番簡単な方法は「相手の言ったことを繰り返すオウム返し」です。
言い換えたり要約してもOKですが、相手が言ったことで共感できる部分をそのままthat以下に当てはめるだけで構いません。
自分の主張・反対意見を切り出すときに使える英語表現
上記のように、相手の意見を一度受け止めたり譲歩を示したりしたあとは、きちんと自分の意見も主張しましょう。
「私は反対です」とやんわり言う英語表現
… but I have to say I disagree with you on this.
… but I respectfully disagree. / … but I would disagree. 「私は反対意見を持っています」
ポイントは前置きとして、上で紹介したような相手の意見を肯定する内容を述べて、それから反対意見を持っていることを示します。
I have to sayやrespectfully、wouldを加えることで、反対という衝撃を和らげる効果があります。
「私は違う考えを持っています」という英語表現
I actually don’t see it that way. / That’s not the way I see it. 「私はそうは考えていません」
I see it slightly in a different way. 「私はちょっと違う見方をしています」
Wayには「方法」という意味があり、seeと合わせてつかうことで「見方」という意味になり、相手と違う見方をしている、と言って意見が違うことを示しています。
さらに上の表現ではactuallyやslightlyを付け加えてやんわりしたニュアンスを出しています。
ビジネスの会話を穏便に締めくくる英語表現
さて、相手の意見も聞いて自分の意見も主張した後、どうやって会話を締めくくればいいのでしょうか。
「言いたいことを言えたぞ!(スッキリ)」と会話を終わるわけにもいきませんから、妥協点を見つけて会話をまとめなければいけません。
課題や未定のことが残っていたとしても、その日に合意できたことや次のアクションを振り返ることで、議論をうまくまとめられるとスムーズに会議が締めくくれます。
「…については合意できたと思います」という英語表現
I think we’ve agreed on …/that …
I think we are on the same page regarding/about …
「…については合意できましたね」
※onの後は名詞、that節のあとは文章が続きますが、regardingとaboutのあとは名詞が続きます。
※be on the same pageは「共通の認識を持っている」という、ビジネスで頻出の英語表現です。
「意見の食い違いもあるけど先へ進みましょう」といいたいときに使える英語表現
We haven’t agreed on…, but let’s move on.「…についてはまだ合意してませんが、先へ進みましょう」
I think we are going to have to agree to disagree.「意見が合わないのも仕方ないですね(受け入れましょう)」
ときには全ての問題を解決している時間はなく、次に進まないといけないときもあると思うので、そういったときにはこう言って流してしまう必要もありそうです。
まとめ:自己主張は練習の積み重ね
いかがでしたか?
意見があってスムーズにいくに越したことはないですが、ビジネスの場面では交渉も大切なプロセスの一つなので、意見の食い違いは避けて通れません。
意見が違うからと言って委縮してしまうのではなく、相手の意見も聞き入れつつ自分の意見も堂々と主張していきましょう。
とはいえ私はまだこのプロセスの練習途中です。
立場が上の人に反対意見を言うときはかなり汗をかきながら言っています(笑)、自分の意見を言うことで相手に存在意義や違う意見の価値を示すこともできるので、勇気を出して相手に伝えるようにしています。同じ立場で日々頑張るビジネスパーソンの皆さん、一緒に頑張りましょう!!
本日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。
英語で仕事をするみなさんにとって、少しでも役に立っていたら嬉しいです。
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